民具補説 ゴトク(五徳) 昔は地炉(囲炉裏)の端に、ゴトクと呼ぶ鉄で作った円い輪の上に3本の先の内側に曲がった脚のような物のついた道具(下図)がありました。 私の家では、ゴトクの上に鉄瓶を載せてその下にホド(火床)のオキ(真っ赤な薪の燃えがら)を置いてお湯が冷めないようにしておきました。 聞くところによりますとゴトクはすでに弥生時代後半に土器として出来ていたとのことですのでとても長い歴史をもった道具だということが分かります。 それから、茶の湯が始まる以前は、輪の方を上にして使っていて「クドコ」と呼んでいたいたそうです。そして逆さにして使うようになっ
また、子どもの時に、祖父に「家の中で一番物を沢山喰うものは?」とクイズのようなことを聞かれて、迷っていると「ゴトクだ」といわれました。その意味は「5斗喰う」だと言われて大笑いしたことをなつかしく思い出します。 文・図 田辺雄司(居谷) |