恐れ乍ら口上書を以て御願申上げ奉り候
 
 
  恐れ乍ら口上書をもってお願い奉り候
一 当村地内草生油出水一件に付き昨年中
何方より申上げ候や お呼び立に相成候間前廉
村方取り決め議定方委細申上げ候状
その意味お聞き取り下し置かれ候て御慈悲をもって
御尊役様御年切りにて夫々取り決め双方
に決意をもって先年の通り堰井戸致すべき様
下石黒村のものまで御呼び立ての上難の御理解
成し下しおかれ私共一同有難く承知畏み候左候て
下石黒組右の訳申し合候状聊か取用いずすべて
勝手侭に申し張候段はとても私共上にては
村方和熟の場合に至り来たり申さず侭の四ケ村
の重立和談の上仰せ望み草生油一条の儀は
下石黒村にて万事引き受け以来私共へ何廉(※かと)
掛け合いこれ無きの様致したく存じ奉り候勿論私共の上には
 
 故障取成は届の廉もこれなく候間右願申し上げ奉り候
通りお呼び出しの上厳重にお申し渡し成し下され置き度□□候
左候得ば右一件に付き彼是も出来申さず 引かずに一同
愚案仕り候この段御慈悲をもってよろ(四は当て字)敷くお申し渡し
下し置かれ候様願上げ奉り候 以上
  慶応二年 
  寅二月     刈羽郡
          石黒村
          落合村
            佐五右衛門
          寄合村
            松右衛門
          同村
            名之右衛門
            傳左衛門
            重右衛門
          大の村  
            佐次右衛門
          百姓代
            助左衛門
          組頭
            卯左衛門
          庄屋
            田辺重左衛門


 大肝煎所 
意訳作成中 
 読み下し文責 大橋寿一郎