草生油井戸規定書の事       (田辺重順家文書)
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    草生油井戸規定書の事
一 当村地内近年草生出水に付き村中一同
  取り決め申し以て左の通り
一 草生油出水に付き御上様□御冥加となし金□□
  卯より年中井戸掛けものより見様の献納致すべき事
一 当春中より新井戸を見立口取致し候事
  是を先年当村の草生油見立て預人
  油田村幸左衛門殿乗合にて掘り下がり致すべく候
  尤も以来新口見立て候節も即ち右同様に
  双方立会い□取り計らい申すべき候聊か勝手侭致す間敷候事
  付けたり井戸口取見立て候場所尤も先年取り決め置き候
  □も是あり候間地所手入れの義は
  地主対談致すべき候事
一 草生油売りさばきの義は会所相立
  自分売り買い聊か致すまじく候一切会所にて
  取り計らい申すべく候勿論談(?)合の義は一割
  引きにて勘定致すべき候尚又値段の義は
  臨時扱いもこれ有り候に付き談合を以て相場
 
  
 
 致すべき事
一 会所引き受け人の義は当村庄屋重左エ門
  並びに油田村幸左衛門両人にて取り計らい申すべき事
  若し仰□の義至来致し候ても塊茎にて
  取り捌き致すべく候事
一 当丑せれ村の中で以来井戸堀り□□□
  申すもの共左に連判致し候ものに差支え
  これ無き候尤も連判に差し除き候もの決して
  井戸に拘わり申すべからず候定めの事
   附けたり是以来他所他村より仲間になりたき
   旨申し来たり候ても難く如何様自愛
   之有り候仁なりとも屹度相断り候
一 以来井戸見立て候節は左右七間離し
  掘割致すべき候しかし場所柄により定外に
  口取度き義もこれ有り候哉その節会所と
  談合を以て見分けその上取計らい致すべく定之事     
 
 一 草生油多分出水致し候上は村方燈用
  の義は半値段にて売り渡し申すべく候
右は五ケ村役所並びに小前末々に至るまで相談
仕り取り決め申し候所相違これなく候若し草生油
一件に付き如何様迷惑筋至り来たり致しこれ有るも
右掛りのもの共屹度引き受け拘わり之無く
衆中へは聊か御苦体相掛申す間敷候
後日のため大小百姓一同納得候済み口規定
証連印よってくだんの如し
 慶応元年   刈羽郡石黒村
  乙丑閏五月   五ケ村百姓

  伝左衛門   伊左衛門   平右衛門
  半右衛門   市郎左衛門  三左衛門
  重之助    重三郎    清次郎
  六兵衛    重次郎    辰五郎    
 
 
 
  久左衛門   藤左衛門    多次郎
  儀左衛門   庄兵衛     牛之丞
  定次郎    庄右衛門     弥八
  利兵衛    助左衛門    多兵営
  重助     丹助      傳兵衛
  忠吉     甚重郎      長吉
  清五郎    仙右衛門    半左衛門
  久兵衛    角右衛門    惣兵衛
  長八     喜左衛門    平左衛門
  重右衛門 下石黒 作右衛門  直左衛門
  作右衛門   六郎兵衛    権左衛門
  彦次郎    七郎右衛門   喜八
  長助     辰之助     喜六
  源次郎    伊左衛門    嘉平次
  源五郎    伊右衛門    猪助       
  仙太郎    助治衛門    清右衛門
  小左衛門   辰左衛門    子之助                   
 
    為八     三左衛門    源兵衛
   源右衛門   五郎兵衛    吉左衛門 
   平次郎    傳右衛門    六助
   四郎右衛門  七兵衛     喜之助
   多右衛門   久之助     八郎
   市兵衛    善右衛門    善四郎
    大野
   □右衛門   九左衛門    文左衛門
   喜左衛門   惣右衛門    権次郎 
   勝左衛門   □□蔵     牧三郎
   兵左衛門   久之助     作右衛門
   名之衛門   源八      佐平次
   富三郎    甚左衛門    清左衛門
   九郎左衛門  下 源治右衛門 下 米右左衛門
   甚之助    三郎衛門    兵吉
   長兵衛    □三郎     孫右衛門
 
 

      会所取締方 嘉七
      右同断   傳左衛門
  組頭
    与□衛門
   〃 作□右衛門
   〃 作五郎
   〃 松右衛門
   〃 □左衛門
   〃 徳兵衛
  油田
     幸左衛門
   庄屋 
     田辺重左衛門
     板畑
   立入人 中村治兵衛
   
   同断  山田六助
 
     
  
                                              

               
                                                                読み下し文責 大橋寿一郎