国民学校
 昭和16年(1941)から22年までの我が国の小学校の名称。昭和16年3月1日公布の「国民学校令」によってそれまでの小学校を改めた。
 目的は、満州事変以後の国家主義的傾向の社会情勢に対応して定められた。国民学校の目的は「国民学校は皇国の道に則りて初等普通教育を実施し国民の基礎的な錬成をなす」と規定されている。初等科は6年・高等科は2年とし、この8年間を義務教育と定めた。
 従来の科目が根本的に再編統合され、国民科、理科科、芸能科、体操科、実業科(高等科のみ)の5教科となり、皇国民の錬成を目ざし心身一体としての教育をされた。
 敗戦後、昭和22年には国民学校の名称は廃止され再び小学校にもどった。しかし廃止が22年とはいえ、敗戦後から国民学校の廃止までのあいだの教育は教科内容は墨塗りが行われた昭和20ねん9月の時点で終わったと言ってよいであろう。
                参考文献 国史大事典


※参考「国民学校の歌
皇御国(すめらみくに)に 生まれてきた
感謝に燃えて 一心に
学ぶ 国民学校の
児童だ われら朗らかに
輝く歴史 うけついで
共に進もう 民の道

大御訓(おおみおしえ)をいただいて
知徳の力 身の力
磨く 国民学校の
児童だ 我ら高らかに
尊い御代を ことほいで
共に進もう 民の道

日の丸掲げ まっしぐら
御国の明日の 弥栄(いやさか)を
担う 国民学校の
児童だ われら健やかに
春秋8年 手を取って
共にすすもう 民の道