ひとらごと   DATE20240714

 

     「かまいたち」は”ほんとに存在?”

                 大橋末治(20240713)

 過日、通院帰りの友人夫婦が何時ものように我が家に立ち寄った。我が家がこの夫婦の通院途中に位置していることもあり、時々立ち寄ってくれる。大抵、定期的な検診であり、「特に異常なし」というのが常であった。ところが、今回は通常検診の曜日と異なっており、少々気になった。予感が当たった。夫の左足の親指に大きな包帯がある。今日は、その治療のための通院であった。

包帯の要因を尋ねると「2〜3日前、ベッドから落ち、足の親指の爪が剥がれた。その時は、痛みはそれほど感じなかったが、気が付くと当たり一面が血で汚れており、爪は付け根の一部が辛うじて付いている状態だった」と言う。「身の回りにあったテッシュ・ガーゼ・タオル等で一時的な養生をし、早朝の病院開院を待ち治療を受けた」とのことである。治療結果は「数針を縫う処置をし、完治に1年を要す」とのことであった。

私は「これだけの大怪我の発生には、何か身辺に要因があったのでは?」と重ねて尋ねた。しかし、ベッドは通常市販製品で高さも600mm程度、ベッド上やベッドの周囲にも爪が引っかかるような障害物は皆無であり、「何故、左足の親指の爪だけが?と自分でも不思議でならない」とのことであった。
 会話をしていて、ふと、「かまいたち(越後の七不思議のひとつと聞く)」という言葉を思い出した。子供の頃(石黒時代)、原因不明で比較的大きな切り傷を負うと「”かまいたち”にかかった」と、周りの大人たちが言っていた(かまいたち:空気中に真空の部分ができた時に、それに触れると鋭利な刃物で切ったような傷が出来る可能性があると言われている)。しかし、こんなことが現実に存在するのであろうか?残念なことに、この言葉は、名古屋地域の人達には通じなかった。
原因不明の事故は、再発に対する対策もできず、何とも言えないもどかしさを感じる。そこで、私の癖で何とか原因と結果を関連付けたくなり、夢との関連を尋ねてみた(私の場合、加齢と共に夢を多くみるようになったので)。答えは「夢を見たような気もするがどんな夢かも分からないし、夢は見なかったかも知れない」との妙な回答。

現に、近隣住民の高齢者で、転んで膝に裂傷、剪定時に腕に裂傷更には転んで頭部を撃ち重傷になった人等多くの負傷者を見聞きする。今回のように全く原因不明でも怪我が発生している。気持ちと運動能力間の不釣り合いは高齢者にとって厳しくも現実となっている。最近、高齢者の不祥事を聞く度に何となく寂しさを覚えるのは、自分が高齢化し体力・能力・気力の低下したことへの感傷なのかも知れない・・・。
                       おわり