石黒の方言

生 活 編  
2100
音 声
〔Narrator〕
大橋トシヲ
やうちじょが、宿借りに来てわりねぇ 家の者全部が宿借りに来てすみませんね
へんめぇに、ホウネモをやがやがと えうぇて きましたて

      (古語→ヤガテ)
午前中に、ジャガイモを素早く植えてきましたよ
打ち豆より、やきぼしのダシが、んめぇなえ 打ち豆より、煮干しのダシが、おいしいね
でっけぇやきみし〔やけめし〕だなえ おおきなやきめし〔おにぎり〕ですね
おまえ、やぎんちちしぼってくれや あんた、山羊の乳しぼってくれよ
あのシトも、やごめに なってしまったのう あの人も、やもめになってしまったねえ
蜘蛛のやじに、しっかかった えや

蜘蛛のに、引っかかったよ
さあぁさ、ジロバタで頭の毛をやじったえや いけない、いろり端で頭の毛をチリチリに焦がした
トットの羽をむしったら、藁火で毛羽をやじれや 鶏の羽をむしったら、藁火で毛羽を焼き取れよ
おっかぁ、火をよくやすめて寝れや

母さん、囲炉裏の火を危なくないように灰で覆って寝なさいよ
稲ソイのどき、やすんばに着くと らっくら したもんだえね

稲背負いの時、休み場(道の各所に作られていた)に着くとホッとしたものですよ

やっぱし、んまく えかんかっとう やっぱり、うまくいかなかったよ
やっとこすっとこ終わったえね

ほんとにやっと終わりましたよ
やでもか、連れて えがれて かわいそげな

       (嫌でも−)
無理矢理、連れて行かれてかわいそうな
おらトッツァ、やなさって、出稼ぎから、けってきますて

うちの父さん、やのあさって、出稼ぎから帰ってきますよ
こんげなやばしぃどこだでも、まあ、上がってくんなせぇ こんなむさくるしいですが、まあ、上がってください

今朝は、やぶが 凍みたすけ、ソイロに乗りに 山へ えごて 今朝は、雪原が凍みたから、ソリに乗りに山へ行こうよ
えっせなエキで、峠から、やぶこぎして来たら、くたぶえたえね

大変な雪で、峠から雪を踏み分けて来たら疲れましたよ
6月になると、山がやぶつになって、へえぇ さわがんねぇんがね

      (藪−)
6月になると、山がになり、もう 歩かれないですよね
オラとっつぁ、やまへ えったですえね 家の父さん、田畑(家から遠い田畑)へ行きましたですよ
昔は、泊まり山にやまえんが えっぺぇ、えたんだってや

      (山犬)
昔は、泊まり山にやまいぬ(ニホンオオカミ)が沢山、いたのだそうだよ
おっかぁ、おれのやまぎもんどこへやった がん

      (山+着物)
かあさん、私の仕事着どこへやったの
あのジサ、この あったこえに、やまののこ着てらぁ
あのおじいさん、こんなに温かいのに綿入れの仕事着を着ているよ
やまみは、あんまり気持ちのいいもんじゃねぇさ

      (やま→やきやま)
焼き場の火の様子見は、あまり気持ちのいいものじゃあないさ
エヤってがん、やりまか〔むりむり〕連れて来たえね いやだというのを、無理矢理連れて来ましたよ
やりやりとやった仕事だすけ、できが良くねえでしょうえ

急いでやった仕事だから、できが良くないと思いますよ
腹ん中に える内から、やろっ子は違うえね

      (野郎−)
おなかの中にいる内から、男の子は違いますよ
めんなでやろぅねか みんなでやろうじゃないか
きょの、マンマは、ちっと、やわっこ(やっこ)過ぎたえね
今日の、ご飯は、少し、柔らか過ぎましたね
あっつえシに シャッポを、被らんでると やんめぇになるぞ

      (病)
暑い日に帽子を、被らないでいると病気になるよ