石黒の方言

生 活 編  
2100
音 声
〔Narrator〕
大橋トシヲ
そい(え)ろで、城山から乗りおれると おもしょいよ
そりで、城山からすべりおりるとおもしろいよ
そ(え)いでそう それでですね
そえがぁんそう そういうのですよ
そうしゃ〔ほうしゃ〕、おら、けえらしてもらうえね それでは、私、帰らせて貰いますよ
じゃ、おじさ、そうそぅと、けってくんなさえ

      (そうっと)
では、おじいさん、しずしずと(足下に気をつけて)行ってください
ほんに、そうだのえぇ ほんとうに、そうですね
ほんに、そうだってばぁ
ほんとうに、そうですよ

(相づちを打つとき
そうだくれぇ、4日も田ブチしれば くたぶれる こてぇ〔こっつぉ〕 そうとも、4日も田打ちをすれば、疲れますよ
そうだすけ、おらぁ きんなは えがんかった がんだえねぇ そうだから、私は昨日は行かなかったのですよ
きんな、マグシを つかめたすけ、そうちょ漬けにしたえね

昨日、マムシを捕まえたので焼酎漬けにしましたよ
そうったってねぇ、あんげな がえなジサが、死んでしまった てがん だんがねえ ほんとに信じられないねぇ、あんなに達者なおじいさんが、亡くなってしまったというのですからねえ
そうだってんがのう、ほんに、みじょげなのう そうだそうですね、ほんとに、気の毒なねえ
そうちゅう(そうちょ)瓶が、割れてるぞ
焼酎瓶が、割れているよ
たしか、ゴテは、そうってたがなぁ たしか、彼は、そう言っていたがなぁ
そうえぇがんでもねぇども、オラ、まあ、えがん しょぅえ
そういうわけでもないけど、私は、まぁ、行かないことにしましょう
きっと、そうのがんだがなえ きっと、そうなのでしょうね
あささ、そかしてしまったえや シマッタ、やり損ねてしまったよ
あの ガキどもは、そこぇらじょ、散らかして、けぇったえや あの子供たちは、そこら中を散らかして、帰ったよ
こんげな、そそな仕事を しるもんじゃねぇや
こんな、粗相な仕事をするものではないよ
尻まくりして しれや、キモンのそそが 汚れるえや 尻まくりをしてしなさいよ、着物のが汚れるよ
じさ、荷縄でそって いぎゃしゃえ じいさん、荷縄で背負って行きなさい
オラが、へらすみ していた そのこまに、あえらは、けえって しまったげだがね

      (小間)
私共が、昼寝をしていた、その間に、彼等は、帰ってしまったようですよ
そら、誰がんだえや それは、誰の物ですか
そらみれ、ころんどぉ それみなさい、転んだでしょう
それぐちら、ジサの どこへ持って えげや

      (ー共・ら)
それごとおじいさんの所へ持って行きなさい
それくっさ、てぇへんな事になるぜ それこそ、大変なことになりますよ
んな、栗をそればかちしかへろわんかったんか おまえ、栗をそんなに少ししか拾わなかったの
んじゃ、おばさ、そろんそろんとけぇってくらっしゃえ それじゃぁ、おばあさん、足下に気をつけて帰ってください
ぞろびっこに ならんように、丈を 揃えて くんなせえ

      (揃う・跛)
不揃いにならないように、丈を揃えてください
そんげぇながん、オラ、えやだ そんなもの、ボク、いやだ
そんげに、おもしょえ もん だろうかのう

そんなに、おもしろいものでしょうかね
おじさ、そんげんことして もらっちゃ申しゃけねえね おじいさん、そんなことしてもらっては申し訳ありませんよ
そんぜぇな〔そんつぇん〕こと 駄目だて そんなこと 駄目だよ
そんどき、おら、ほんに どうなるかと 思ったてぇ そのとき、私、ほんとうにどうなるかと思いましたよ
そんにしても、おかしな話だなえ それにしても、おかしな話だね
おれもそんまえぐすけ、先にえっててくれや 私も間もなく行くから、先に行っててくれよ
おら、そんまそこの はだけで草取りしてえる すけなえ
      
わたし、すぐそこの畑の草取りしていますからね
ウドは、そんまそこらで採られるがね ウドは、すぐ近くで採られますよ