石黒の方言

生 活 編  
2100
音 声
〔Narrator〕
大橋トシヲ
このエキは、ねえきに なるかえねぇ

この雪は、根雪になりますかねぇ
おらオッカは、今朝、ちゃめにねぇ取りに 山へ えったえね うちの母さんは、今朝、朝飯前に取りに田んぼに行きましたよ
こどしゃ、もう どこにも雪がねぇのう 今年は、もう どこにも雪がない
そじゃねぇか そうではないか
そじゃ、ねぇがんか そうでは、ないのか
えつまでもねぎもん着てるじゃねぇや いつまでも、寝間着を着ているものではありませんよ
ねぇらどこは、えねの できはどんげぇだえ おまえのところの、イネはどんなできですか
ねらほうは どうだえ おまえたちの方はどうですか
ねぇらねぇら来てみろ、きれげな鳥がえとう おいおいみんな来てみなさい、きれいな鳥がいたよ
このまんま、ねぐせぇ このご飯、腐った臭いがするよ
きんな、ねこぐるで、べとだし したえね 昨日は、小型の荷車で土運びをしましたよ
めんなに、ねぇしょに しておこて みんなに内緒にしておこうよ
あしたちゃめに、ねぇとりしなけらぁならねぇお 明日、朝飯前に苗取りをしなければならないよ
はえ、ねぇなったかえ もう、なくなったかね
おめぇ、ねぇぶちしてくれや あんた、苗渡ししてくれよ
人目が、わりぃから ねぎもんを着て フラフラしてえるじゃねえや 見た目が、悪いから寝間着を着て ふらふらしているものではないよ
ねこごを、もらってきたぞ ネコの仔を、もらってきたぞ
よんべな、ねこじって えたくて 首が まぁらねぇね

      (寝・挫る)
昨夜、筋違いして痛くて首が回りませんよ

ねこつぐらつくったすけ、ひとつやるえね 猫用のつぐらを作ったので、一つあげますよ
トッツア、このねじきが、さけぇ だすけのう とうさん、此の捻った雑木が境界だからね
時計に、ねじくれてくれや 時計の、ねじを巻いてください
はえ、ノノバが、ねじくんだげぇだのう

      (捻り出る)
もう、ノノバ(山菜・ツリガネニンジン)が、芽を出したようだね
おらぁ、ボボをねしつけてから えぐえね 私、赤ちゃんを寝せつけてから行きますよ
オッカァ、ねじまっても、アッパが出ねぇね
かあさん、力んでも、大便がでないよ
ねら、あかばねじりに えごぉや
きみたち、ウグイ手づかみに行こうよ
縁の下をねじ藁でふさがんと風がへぇって寒くてかなわんや 縁の下を藁束(縁の下ふさぐための)でふさがないと寒くてかなわないよ
この子は、オラのねっこに おえて 育ててぇね

この子は、私のそばに おいて育てたいよ
あの人は、ほんにねつえ人 あの人は、本当に丁寧な人

(県内で「けちくさい」という意味で使われる所もある)
ねつねつと、包んであるよ 大変丁寧に、包んであるよ
しっぺたに、ねぶつが できて えたくてぇそう

      (根・物)
尻に、ができて痛くてね

よんべな、長起きしたらねぶってぇおぅ

ネブタシ→ねぶたい→ねぶったい
昨夜、長起きしたら眠い
ねぼこきして えねぇで、はよ起きれや

      (寝坊−)
寝坊していないで、早く起きなさい
ねまってえねぇで、たってみろ

 (中世〜近世の東北語)
座っていないで、立ってみなさい
ねら、へらすみ時は、やかましすけ家の周りで あすんで えるなや

ウヌラ→相手を軽んじる卑語
おまえたち、昼寝時は、うるさいから家の周りで遊んでいるなよ
ねんぎょに、きもん着せて あすんでらぁ 人形に、着物を着せて遊んでいるよ
道端に、でっけぇねんぎりが してあったぞ 道端に、大きな太いうんこがしてあったよ
ねんごを、納めて来るぞ 年貢を、納めて来るよ
ねぇらげぇんのが、口出すな おまえらのような者が、口をはさむな
ねんじょ、忙しがね 年中、忙しいですよ