石黒の方言

生 活 編  
2100
音 声
〔Narrator〕
大橋トシヲ
 
もうしゃけねぇども、ゼンを貸して もらえたくて そう
申し訳ありませんが、お金を貸してもらいたくてね

まだ、この子は、もぉうぞで何も分からねぇ がんだがね

      (妄想)
まだ、この子は、幼稚で何もわかりませんのですよ
ジサ、おさま、よんべな でっけぇ声でもぉうぞを えってえたえね
おじいさん、あんた、ゆうべ大きな声で寝言を言っていたよ
ほれ、見やっしゃい、ボボがもうぞわらいしてえるがね

      (妄想−)
ほら、見てごらん、赤ん坊が夢をみて笑っているよ

はえ、もぅつきも 経ってる てがんに未だ返事が来ねぇがね もう、6カ月もたっているというのに未だ返事が来ませんよ

このもうてなしめが

      (古語→マテ)
この不器用ものめが
このええだ、とぅきょへえったども、分からんことばっかしで、もうらもうらしていましたいね この間、東京へ行ったけど、分からんことばかりで、うろうろしていましたよ
もうもんがぁがでたぞー 化け物が出たぞー

おんにも、もえちっと、いいがんくれや ぼくにも、もう少し、良いものをくれよ
はらがもぎれるように えたくてね

お腹がもじれるほどに痛くてね
ええぇ、この子は もしかあに(用心兄)ですえね

      (もしか+兄)

いいえ、この子は次男の子なんですよ
あんげぇながん、もちぇあつけぇならんて あんなもの、持ち扱いできませんよ
きょは、もちもんを喰ったら腹がへらんや

      (餅・物)
今日は、餅米で作った食べ物を食べたら腹が空かないよ
遠足のもちもんを、めぇの日に、じょんびしておけや 遠足の持ち物を、前の日に準備しておきなさい
きんな、うんどうかえで、とんだらももったまがえてぇお きのう、運動会で走ったらふとももが痛いよ
もらえもんでわりでも、しとつ食べてみてくんなせぇ 頂き物ですみませんが、一つ食べてみてください
もこさんを、もらやって、ほんに良かったのう 婿さんを、おもらいになって、本当に良かったですね
おまえ、明日は、この子のもりしてくれや

あんた、明日はこの子の子守りしてくれよ
おめぇは、もりっこかぶりが よう似合うぞ あんたは、子守りの女の子がした手拭いのかぶり方
がよく似合うよ
もんじゃくってぶちゃってしまえ 

      (揉みー)
くしゃくしゃにして捨ててしまえ