石黒の方言

生 活 編  
2100
音 声
〔Narrator〕
大橋トシヲ
お講が始まるすけ、けぇ ふえてくれや
お講が始まるから、貝(ホラ貝)を吹いてくれよ
蚊に くわぇてけぇが けぇが馬鹿になりそうだてぇ
蚊にくわれて、かゆいがかゆいが気が狂いそうですよ
風邪を しいたどきは、けぇに 梅漬けが えちばん だえの 風邪を引いたときは、に梅漬けが一番ですよ
バサけぇじりは、シリが んめぇすけ、シリを えっぺえ盛ってくれの
ばあちゃん、貝汁は、汁が美味しいから、汁を沢山盛ってくださいよ
ほら、ワタシの餅をけえさんと焦げるぞ ほら、ワタシ(餅焼き具)の餅をかえさないと焦げるよ
どうも、そうげえだ(げらだ)えね どうも、そうらしい
んな、けえでみれ、ねぐせすけ おまえ、嗅いでみれ、腐った臭いがするから
きょは、ばかにけぶってぇなえ

(古語→けぶり→けぶ・江戸語)


今日は、ばかに煙い
おえ、オジ、すえぶろの火が けえてるぞ おい、オジ(次男)風呂の火が消えているぞ
しとのモンを、けなりがる(けなるがる)んじゃねえぞ

    (けなるい 狂言等に出る古語)
他人の物を、うらやましがるんじゃないぞ
けえま(えぎり) で あすんでると、春が来たって気がして、うるしいのう

      (消え・間)
春先の雪の無い場所で遊んでいると 春が来た感じがして うれしいですね
でっけぇけみしがえとう 大きな毛虫がいたよ

刈り上げには、けぇもちしてくおうや

      (掻餅→カイモチ)
稲刈りが終わったら、ぼたもちをして食べようよ
ネラ、堅炭は、もってぇねぇから、けしずみを使えや

おまえたち、木炭は、もったいないからオキを消し壺に入れて作った炭を使いなさい
ゴンボを、けそいで おつよの中に えれてくれや

       (毛・削ぐ)
ゴボウを、ささがきにしてお汁の中に入れてください
このスモモと けぇっこ(けっちょ)してくれや

      (換えー)
このスモモと交換してくれよ
しとのもんを、けなり(る)がるんじゃねぇお

古語→けなりい→・けなるいは訛り
人のものを、羨ましがるんじゃないよ
きょは、刈り上げ だすけ けぇもちして喰ぉうや

     (古語→カイモチイ)
今日は、稲刈りが終わるからおはぎをして食べよう

こらぁ シトのアッパでねぇ、けだもんのアッパだえや
        
      (毛の物)
これは人の糞ではない、の糞だよ
朝遅くまで寝てけつかって、早く起きて庭でもはけや

居るの卑語 江戸時代の言葉)
朝遅くまで寝ていやがって、早く起きて庭でも掃きなさい
あの木もけっことふとったのう あの木も、結構生長したね
けつづえなべ(けつづなべ)をしたら、けつが はっこえや

      (けつ・づえなべ)
直に雪の上にお尻をついてすべる遊びをしたら、お尻が冷たいよ
んな、シャツがけぇっつぉだねぇかや

君、シャツが裏返しじゃあないかえ
誰が、そのけつのごえをしたと思うんだ 誰が、その失敗の後始末をしたと思うのだ
運動会で、げっぽになって、しょうし かったや
        
       (尻ー)
運動会で、ビリになって、恥ずかしかったよ
そうでなけら、おら、そんげな事は えわねぇ こてぇや そうでなければ(あれば)、私、そんな事は言わないですよ
おめぇは、ほんに、げらだない
あんたは、ほんとうに笑い上戸だねぇ
げんのう持って来てくれや 金槌持ってきてくれや
ハサはけんばんをつけると がんじょうになるでもない ハサは、最上段わたすサオ(竿)をつけると頑丈になるけどね