石黒の方言

生 活 編  
2100
音 声
〔Narrator〕
大橋トシヲ
い 
こどしゃ、えきが降らんでいいあんべえだのう 今年は雪が降らないでいい具合ですね
いぃがなー、おめぇ手だすなてぇ いいから、おまえ手を出すなよ
いいがんだけ取って、あとはぶちゃろてぇ 良いものだけ取って、後は捨てなさいよ
ねら、すっけなことして、いいがんか(いいがんだかえ) 君たち、そんなことして、良いのかね
いやぁ、いいぐれね いやぁ、良いに間違いありませんよ
おまえさんさえ、いいけら、えっしょにえごえね あなたさえ、良ければ、一緒に行きましょう
あこんしょは、めんな、いいしょだがね あそこの家の人たちは、みんな、いい人達ですよ
いぃすけ、おまえ、けえれぇ よいから、おまえ、帰れ
そえで、いいどうぉ
それで、いいでしょ〔いいことにしなさい〕
いぃねぇかや、ちょっこら寄って休んで えげて
いいじゃないか、ちょっと寄って休んで行きなさいよ
ねらばっか、いいめして、いかったこてぇ〔いかったなえ・いかったっけなえ〕 きみたちばかり、良い思いをして良かったさ
ああ、いいよだったいねぇ〔だったぜ〕 ああ、結構な湯加減でしたよ
おまえばっか、飴もらっていいんだなえ 君だけ、飴をもらって良いね〔羨ましいね〕
春っ先になるとこの子は、まえとしえきめになるがんだいね 春先になるとこの子は毎年雪眼炎になるのですよ
天気がいくて、いいあんべえだのう

      (挨拶語)
天気が良くて、いいあんばいですね
俺が、い(え)ぎしなに、置えて えぐえね
わたしが、いきしなに届けていきますよ
きょは、おまえさんにいきゃわしてもらって、ほんにうるしかったえねぇ 今日は、あなたにお会いできて、本当にうれしかったですよ
釜坂の頂上で、ようびんさんにいきゃったいね 釜坂の頂上で郵便さんと行き会いましたよ
おじさ、どごへい(え)ぎゃる(いぎゃっしやる)

      (行くの敬語)
おじいさん、どこへ行きなさる
雨になるやら、きょは、ばかにい(え)きれるのし
雨になるやら、今日は、ひどく蒸すねえ
えくどこも、はちん刺されたいや 何カ所も蜂に刺されたよ
なんだかい(え)ごじが わりいね

      (古語→依怙地)
なんだか、居心地が悪いね
ねら、い(え)さけばっか して えるなて

      (諍い)
おまえたち、けんかばかりしているなて
おっかぁ、この子のい(え)だれ掛けを どごへやったや
おっかぁ、この子のゆだれ掛けを どこにやったね
罰が 当たったんだや、い(え)っきびどう

罰が当たったのだよ、いい気味だよ
こんたびは、い(え)っそけ お世話んなり、ほんんに、ありがとうございました

     (いっそ・接尾語)
このたびは、一切お世話になり、本当に、ありがとうございました

おらオジも、でぇえくの年季が明けて やっと
い(え)っちょめぇになったえね

      (一丁前)
うちの次男も、大工の年季が明けてようやく一人前になりましたよ
おじさ、おらアニに、よう い(え)ってかしてくんなせえ

      (言い聞かせる)
おじさん、うちの長男に、よく教えてやってください
い(え)つのこまに、けぇった ろうなえ
いつの間に、帰ったのかねえ

おら、けさ、暗ぇうちに起きて 栗を い(え)っぺぇ へろって来たえね
ぼく、今朝、暗いうちに起きて栗を沢山拾って来ましたよ
きょは、天気がいいすけ、へんまっから い(え)ねあげをしるか
今日は、天気がよいから、午後から乾燥したいねの取り入れをするか
こんにゃのい(え)めしは、稲こきで ちっと遅くなるぞ

      (夕飯)
今夜の夕飯は、脱穀で少し遅くなるぞ

い(え)やしくそげなことを、えうもんじゃ ねぇて

(卑しいー)
下品にもの欲しげな(特に食べ物に)ことを、言うものではないよ
※ ()て表示した発音に近い
  ことも多い