ミヤマホオジロ
 
 
 
 
暮らしとの関わり
 柏崎の秋のホオジロの仲間の渡りはカシラダカ、アオジ、オオジュリンの3種が中心である。これに続くのがホオジロで、次はホオアカである。ホオアカは前の4種よりは極端に少ない。さらに少なく珍しいのがこのミヤマホオジロである。しかし、山野を注意深く歩いているとこの鳥に出会うことがある。
10月の中旬頃から雪が降る頃まで、柏崎の林道を歩いていると両端の草はらからホオジロの仲間が飛び出すことがある。飛び出した鳥がそのまま樹上に向かい止まったらカシラダカのことが多い。草はらから草はらへ飛んでいくのはアオジである。ホオジロやホオアカは草はらに行ったり樹上に行ったりするが、高い草はらが多い。オオジュリンはアシ原で生きていく鳥であり、他のホオジロの仲間のような林野にはいない。このミヤマホオジロは神様から黄色という他のホオジロの仲間とは違う目立った色彩を貰っていながら割と地味に動く。目立つような樹上には止まらないで低木の中に飛び込む。1〜数羽くらいが多く、大きな群れを見たことはない。
勿論、石黒に来てもおかしくない。前出のとおり黄色の割りには目立たないことから見逃されていた可能性は高い。
(情報提供-長谷川)
 「ミヤマホウジロ」という名前から、石黒などの山奥に多く見られるかと思ったが、和名の「ミヤマ」は「遠隔地」の意味で、以前は朝鮮半島での繁殖は確認されたが、日本での繁殖が確認されていなかった事によるのだそうだ。

写真 2016.10.14 柏崎市 長谷川


解 説
ホオジロ科
 繁殖地は中国北部や朝鮮半島、ウスリーなど。冬季には中華人民共和国南越冬地は日本、台湾。日本では冬季に本州中部以西、四国、九州に飛来する。  
 広島県や長崎県では繁殖例がある。
 全長が約16 cm、翼開長が約21 cm。雌雄ともに冠羽があるがオスの方が長い。
 尾羽の色彩は褐色で、外側の2枚ずつに白い斑紋が入る。腹部は白い羽毛で覆われる。眼上部にある眉状の斑紋や喉には黄色で、嘴の基部から眼を通り後頭部へ続く黒い筋状の斑紋が入る。
 平地から丘陵にかけての開けた森林や林縁に生息する。冬季には小規模な群れを形成し生活し、他の同属の種のカシラダカやホオジロなどと混群することもある。
 危険を感じると地表から飛翔し樹上へ逃げる。
 食性は植物食傾向の強い雑食で、種子、昆虫、クモ類などを食べる。地表で採食を行う。
 鳴き声は「チェ、チェ」と聞こえる。