ウマノオバチ
暮らしとの関わり
 一昨日、上石黒の岩屋に登った帰り道に、軽井川の夢の森公園の近くで珍しい昆虫に出会った。
 その昆虫は髪の毛のような細くて長い産卵管を下げて緩慢な飛び方をしていた。いかにもその馬鹿長い産卵管が飛翔の妨げになっている様子だ。なんにせ、頭部から腹部までの長さ(体長)は2,5pほどなのに産卵管は18p余もあるのだから驚く。
 したがって、この昆虫の全長ということになると20pにも達して世界最大級ということになる。
 WEB上で調べるとこの長い産卵管の役割はクヌギ材のシロスジカミキリの巣穴奥深くにさしこみ幼虫の体内に卵を産み付けるためという。つまり、ウマノオバチは寄生蜂の一種なのである。
 動植物の撮影に数年来歩いて来た筆者が今にして初めて出会った昆虫であるので市街地周辺では数少ない種であるのであろう。
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写真2015.5.1軽井川 夢の森公園付近


       非常に長い産卵管
写真2015.5.1軽井川
解 説
コマユバチ科
 本州から九州の平地の山里や低山の限られた所に生息している。
 成虫は5月に発生してクヌギ材中のシロスジカミキリの幼虫に寄生するといわれている。
 体長15〜24mmでコマユバチの中では大型種。 雌の産卵管は異常に長く体長の7〜9倍に達する。この長い産卵管はシロスジカミキリの長い巣穴を通すために適応したもの。産卵管のつけ根には2本の保護・補助用の鞘があるが生きているときには産卵管に密着している。
 体色は黄褐色で前翅に3個、後翅に1個の黒紋(メスのみ)がある
 触覚は黒色でやや太く棒状。
 名前の由来は「馬尾蜂」馬の尾のように長い産卵管を持つ事に因る。