マルハナバチ | |
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暮らしとの関わり 石黒では、「ヘボバチ」または「ヘボ」と呼んだ。これらのハチは、昔からスズメバチやアシナガバチのように嫌われず、好意を持たれた蜂であった。その理由は、温厚な性質と共に野菜の受粉の役目を果たすことが認められていたからであろう。 庭先の畑のカボチャの花が咲くと多くのマルハナバチやクロハナバチが寄ってきたことを憶えている。(現在は数がすくない) 砂糖のなかった我々敗戦前後の子ども達は、このハチを捕まえて尾と胸を引きちぎり、出てきた径2〜3oほどの蜜袋(蜜胃)を食べた。 マルハナバチは掴むことをしない限り刺すことはなかったが、捕まえたバチに刺されることも度々あった。筆者は、カボチャの花に入ったクマバチを花冠の先を閉じるようにして捕えて刺されたことがあるが、指先のせいか痛みは意外と強かったように記憶する。雄は針を持たないことは最近まで知らなかった。 また、マルハナバチの巣の中は未だ、つぶさに見たことはないが、土の中で集団営巣するという。 動植物の撮影を野山を歩いていて気づくことは、秋のオヤマボクチの花に群がって吸蜜しているマルハナバチの姿をよく見ることだ。 〔撮影日 2005.10.28下石黒〕 |
解 説 ミツバチ科 本州から九州に分布。日本固有種。日本には15種ほどが知られている。 体長22oで胸部背、側面には黄色、他には黒色の毛がある。大型で刺針をもつため恐れられるが攻撃性はなく掴まない限り刺すことはない。 舌が長く、花蜜が奥にある細長い花や形の複雑な花からも花蜜を吸うことができる。普段はあごの下にたたみこんでおく。 巣は枯れ木の空洞や岩石の隙間、地中の穴などに蜜蝋で作る。 フジやキリの花によく集まる。 夏に羽化した成虫は未成熟のまま、母巣で越冬する。 卵は長大で15oにも及び一匹の雌の産卵数は約8個。 名前の由来は、そのずんぐりした丸い姿から。 ※備考 現在では、トマトやイチゴ等の栽培の受粉のために輸入されたセイヨウマルハナバチ(尾の先が白い所が区別点)の野生化が問題となっている。繁殖力も在来種に比べて強く、将来、在来種を駆逐してしまうのではないかと心配されている。2006年に特定外来生物に指定。 長い舌 ![]() 写真2009.4.6上石黒 参考画像 セイヨウマルハナバチ ![]() ウィキペディアよりコピー |