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帽子つきマワシミノ(菅蓑・肩ミノ) 

 石黒では、あまり見慣れないミノの一つである。マワシミノ(肩ミノ)の一種である。材料は主にタツノケ(コシノホンモンジスゲ)と呼ばれたスゲを使って作られているため軽い。表裏共に細いヌイゴ縄の網で覆っている。
 胴まわりを覆うミノの幅は広く十分に体を包むことが出来る。首周りは布で縁取りをして首筋へのあたりを和らげる工夫がされている。
 用途は、真冬の道中に使われた。とくに吹雪の中では、しっかりとした帽子があり、ミノは網で覆われているために風にあおられることも少なく保温力も優れていたであろう。
 昭和20年代までは、石黒では郵便屋さんがこの蓑を利用した。いわば、今のアノラックの役目を果たしたの蓑であった。
 このような民具をみると、その土地の気候風土にあわせて創意工夫を凝らした先達の努力が感じられる。
(指導−矢沢清吉
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