本文 №14   意訳文 (茶色文字下解説参照)  読み下し文
 
 麦焦がし、焼き米をもって済ますよう心得(得心)えるすべし。
客人は、餅あるいは饂飩
(うどん)、あるいソバ
(蕎麦切)または、池沼の魚を取り、畑(採エン)の野菜、手醸り(てづくり)の酒にて接待(饗応)すべきである。
野良仕事
(野業)の隙(ひま)には木こり、或いは落葉かき、草履(ぞうり)、草鞋(わらじ)を作ることである。
草や藁
(わら)
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 麦焦がし、焼き米をもって心を傳ずべし。客人には餅(もち)あるいは饂飩(うどん)あるいは蕎麦切、または池沼の魚(うお)を取り、採苑(さいえんの野菜、手醸り(てづくり)の酒にて饗応すべき。
野業の隙には木樵(きこり)、あるいは落葉かき、草履(ぞうり)、草鞋(わらじ)これを作るなり。
草や藁(わら)
 
 用語解説
麦焦大麦を炒りこがし、碾ひいて粉にしたもので、そのまま食べたり、水や湯で練って食べた。

焼米新米を籾もみのまま炒り、搗ついて殻を取り去ったもの。

得心-とくしん→承知して心得ること。※読み仮名ふりの百姓往来を見ると「□□を以て心を傳ずべし」とある。

蕎麦切-そばきり→蕎麦に同じ
採エン→畑のこと
(採エンのエンは、園あるいは苑のように思われるが、原文の文字に該当する漢字は見当たらない。)

野業-やぎょう→野良仕事

カタカナで表記した文字は特殊文字