本文 №13   意訳文 (茶色文字下解説参照)  読み下し文
 
框杼管(かまちひくだ)高機(たかはた)下機(しもはた)等なり。
日常の食べ物
(糧)には、岡穂
(おかぼ)、唐米(からほし)、麦、挽き割り、批米(しいな)、粉割(こさけ)陳倉(ぼんほ)など用いること。
稲こきから脱穀までしっかりと行って米に仕上げて、随分、大切に俵粮(ひょうろう)を保存して置き、飢饉の節、渇えないように留意することが第一である。
茶菓子は
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かまちひくだ(框杼管)、たかき(高機)、しもはた(しもはた)等なり。
つねづね(常々)のかて(糧)は、おかぼ(岡穂)、からほし(唐米)、麦、挽き割り、しいな(批米)、こなさけ(粉割)、ぼんほまい(陳倉米)まで。ひき(扱)こなし、つき(搗)こなし、しらげ(精)、随分大切に兵糧(ひょうろう)仕込み置き、飢饉の節、渇えざる様の心得第一なり、
茶菓子は
 用語解説
框杼管-かまちひくだ→織機の付属具の一。よこ糸を通す操作に用いるもの。

高機-たかはた→手織機の一種。地機じばたよりも丈が高く、一段進歩したもので、踏木を踏んでそうこうを上下させて織る織機

下機-しもはた→主に木綿を織るのに用いる丈の低い機

糧-かて→食べ物

岡穂-おかぼ→畑で栽培される稲

唐米-からえし・とうまい→岡米に同じ

挽き割り→籾殻を取り除く時に割れた米か。くず米のことであろう。
批米-しいな→不稔米・実の十分に入らぬ籾
粉割-こさけ→
砕けた米のことか。

陳倉-ぼんほ→あしきこめ」の注のある文書もある。

兵糧-ひうろう→武家の食糧に充てる米の意味だが、ここでは自家の飯米の備蓄を意味するものであろう。

米まで扱(こき)こなし搗きこなし精(しらげ-精白すること)→稲扱きから脱穀までしっかりと行って白米にしあげ。