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頭刈りが終わったすけ、首ったまに めぇえた風呂敷を、めえめぇへ えってほうらいて来え | 散髪が終わったから、首に巻いた風呂敷を、庭へ行って振り払って来なさい |
ジサ、今年は、あの山のヘラで、ぼえを切ろうや (古語→保興) |
じいちゃん、今年は、あの山の斜面で柴(燃料にする低木)を切ろうよ |
あしたは、ぼえあげをしょや | 明日は、柴〔しば→薪用の低木〕を中二階に上げる仕事をしようよ |
えきのあるうちに、ぼえきりしねけらならんなえ | 残雪のあるうちに芝木(薪)切りをしなければならいね |
おらちは、きょは、ぼえだしだてがんだ | 私の家は、今日は、柴をニオから家まで運ぶ仕事をする予定だよ |
あのガキは、また喧嘩してほえずってらあ (吠える→泣きわめくの卑語) |
あの子は、また喧嘩して泣きわめいているよ |
あに、おまえトッツァから、ぼえまるけのしかた習えや![]() |
倅や、あんた父さんから芝木の束ねのやり方を教えてもらえなさいよ |
おまえた、ぼえ山があるんが いいこてぇ | あんたの家は、柴山〔ボイ山〕があるから良いでしょうよ |
ねらぁ、トットが家ん中にへっとう、ぼえ出してくれや | 君たち、鶏が家の中に入ったよ、追い出してくれや |
苗を投げるぞ、ほえと(はえと)! |
苗を投げるよ、はいよ! |
ウドも、もう、めんなほうけたえや | ウドも、もう、みんな成長して食用にならなくなったよ |
山で鎌を、どっかへ やってそう、ほうしてバカんなって さがねて やっと めっけたてえ |
山で鎌を見失ってね、それで必死になって探してやっと見つけましたよ |
おさん達、めんなが、えぐがんかい。ほうしゃ オラも えごかな |
あなた方みんなが行くのですか。それでは私も行こうかな |
ほうだこてやぁ | そうにきまっているでしょうが |
ほったれ | そうにきまっているでしょう |
ぼうでんきを、持って来てくれや (棒) |
懐中電灯を、持って来てください |
ことしゃ、ほうとえきが えっぺだすけ エキの けぇが遅えぞ |
今年は、乾いた雪が多いから雪の消えが遅いぞ |
えがんで、ほうべん | 行かないで、幸いだったよ |
いいすけ、ほげかまわんでおけや |
いいから、放っておきなさいよ |
そんげなヘラマに上がって、ほげずりおちんなや (放り・落ちる) |
そんな崖に上って、ずりおちるなよ |
川へほげぶちゃってしまえたえね (放り・ブチャル)(放下) |
川へ投げ捨ててしまいたいですよ |
そこらえ何んかをほげなげておくなて | 川その辺に物を放り出して置くなよ |
マメめえたでも、鳩がめんなほげっこしたえね | 豆を蒔きましたが、鳩が堀り散らしてしまったよ |
カボチョの芽が、えっこに出ねすけほげてみたら腐ってえたえね | カボチャの芽が、なかなか出ないので掘り返して見たら腐っていましたよ |
こどしゃ、ぼごさま飼わっしゃるかえ | 今年は、カイコ飼いますか |
ねら、トットのボコボコする場所にベトをもっと えれてやれや |
あんた達、鶏の砂浴びをする場所にもっと土を入れてやりなさいよ |
ねら、きてみろ、きれげな星のよだぞ | 君たち、出てみなさい、きれいな星空だよ |
バサ、へらすみ起きにほしもち(かたもち)を あぶって くりゃんの (干し・餅) |
おばあさん、昼寝起きに、オカキを焼いてくださいよ |
あこのバサ、転んで手をほしょった〔ほっぽしょった〕てんがの | あそこのお婆さん、転んで手をへし折ったそうだね |
瓶のほぞを、しっかり しておけや |
瓶の栓を、しっかりしておきなさい |
ねら、ヘエがマンマにとまってるすけ、ぼえや | あんたがた、ハエがご飯にとまっているから、追い払いなさいよ |
エンガが、猫をぼっこ(た)くってえっとお (語源→ぼっかく) |
犬が、猫を追いかけて行ったよ |
ほっぱ(ぴーぴー)を作って鳴らそうえや | 笛を(椿の葉を筒状にして作る)作って鳴らそうよ |
ワッツェごしゃえで、まさかりの柄を ほっぽしょってしまったえね | 薪づくりで、まさかりの柄を折ってしまったですよ |
オラ猫が、ドラ猫をぼっこくってえったぞ | 家の猫が、野良猫を追いかけて行ったよ |
鳩が来たら、ぼってくれや |
鳩が来たら、追っ払ってくれよ |
ほったれ、おまえも手伝うんだ こてぇ | そうとも、もちろん おまえも手伝うんだよ |
そんげえな縛り方をするとほっとかんねぇぞ | そんな縛り方をするとほどかれないぞ |
樽のほてに おえてくれ (古語→ホカテ) |
樽の脇に置いてください |
ほてっちょに、よしておえて くれや |
脇に、寄せておいてください |
ほてっつらして、あんでるすけ、ころぶんどう | よそ見をして、歩いているから、転ぶのですよ |
女しょは、正月中、ぼとぼとしなければならんがね | 女衆は、正月中、忙しくお客の接待をしなければ成りませんよ |
ばさ、ミカン一つ、ほどこへ えれて えって くんなせぇ | おばあちゃん、ミカン一つ、懐へ入れて行ってください |
ええ、ほに、そえぇがん だっけなえ (本に) |
ああ、ほんとだ、そういうのだったね |
そら、ほにほに、みじょげだなえ | それは、ほんとうにほんとうに、かわいそうだねえ |
ばさ、きょは、ほびきして おもしょかった のし (宝引き) |
おばあさん、今日は、ほうびきして楽しかったね |
おらアネは、えま、奥の部屋でぼぼを寝かしつけて、えるえね (古語→オボ→生む) |
家の嫁は、今、奥の部屋で赤ん坊を寝かしつけて、いますいね |
なんだやら この頃、オラ、なんかが ぼぼけて よう めぇねんだてえ | どうしたのか この頃、私、物がぼやけてはっきり見えないのですよ |
なんだやら、この猫は、ぼぼけてきたなえ |
なんだか、この猫は毛並みが悪くなってきたね |
ぼぼさまの桑とりに、山へ えって来るえね む (御−) |
蚕の桑とりに、山へ行って来ますよ |
ほれか、オラァが子どもんどき 遠足に えったエタヤマのエケの近くに何度かんじょうしても、数が合わんズドウサマがあったこてぇね |
ほら、僕たちが子どもの頃、遠足に行った板山の池の近くに何度数えても、数が合わない石仏があったでしょう |
ほろの戸を、閉めておかんと、猫が へぇるぞ | 戸棚の戸を、閉めておかないと、猫が入るよ |
盆がえもんに、かどてまでえってくらぁ | お盆の買い物に,門出まで行ってくるよ |
いい子にしてると、ぼんぎもん縫ってくれるぞ | よい子になっていると、お盆用の着物を縫ってあげるよ |
十五夜には、お宮の参道に ぼんぐえが 立ちますえね | 秋祭りには、神社の参道に幟竿が立ちますよ |
ねら、盆草とりしてくれや | あんたがた、盆を迎えるための家の周りの草取りをしてくれよ |
ねら、きょはほんこで、玉ぶちするか (本・接尾語) |
きみら、今日は本勝負(当てた球は自分のものとする)でビー玉するか |
え、ほんだ、そうえがん だっけぇねえ | ああ、ほんとだ、そういのでしたね |
ほんだえね、そんげぇなこと、出来っこ ねえがねぇ | ほんとですよ、そんなこと、出来っこないですよ |
ほんだがぁなぁ | 本当ですよ〔そのとおり〕 |
このぽんくつが | このまぬけものが |
ほんのことを えうと、おら、ゼンが なかったんだえね (本 →まこと) |
本当のことを言うと、俺、お金がなかったんですよ |
きょは、お宮さんとポンポ小屋のエキ堀りをしてくんなせぇ | 今日は、神社とポンプ小屋(消防小屋)の除雪をしてください |
ケサん なっても、まだ、ホドのへえぇ がぼんぼらあったかえね |
今朝になっても、囲炉裏の火床の灰が、かすかに温かかったですよ |
なんだかほんぼろがれぇようだなえ | なんだか、少し辛いようだね |